従来のファストファッションが陥りがちだった「どこか安っぽいツヤ感」や「型崩れしやすい生地」は、ここには存在しない。その秘密は、計算し尽くされたパターンメイキングにある。世界的デザイナーであるクレア・ウェイ・ケラーの手腕が注ぎ込まれたコレクションをはじめ、肩からウエスト、ヒップにかけての流れるようなカーブは、着る人の体型を問わず洗練された印象を与える。
特に定番のストレッチテーラードジャケットは、細部へのこだわりが際立つ。ラペル(襟)の幅、ボタンの位置、ポケットの傾斜角度に至るまでミリ単位で微調整が繰り返された。着た瞬間に背筋が自然と伸びるような仕立てでありながら、肩まわりのツッパリ感はゼロ。上質なウールライク素材を採用することで、光の当たり方によって深みのある表情を生み出し、仕立て服と見紛うばかりの気品を醸し出している。