若年女性や高齢者に多く見られるのが、急に体を起こした際に血圧が急降下する起立性低血圧である。自律神経による血管の収縮調整がスムーズにいかず、重力に従って下半身へ溜まった血液を心臓へ送り返せなくなることで生じる。
臨床の現場では、単なる慢性的な低血圧症と、病的な起立性低血圧は厳密に区別される。後者の場合、立位になってから3分以内に収縮期血圧が20mmHg以上、または拡張期血圧が10mmHg以上低下するものと定義され、重度の場合は転倒による骨折や失神事故を引き起こす。
特に夏場の汗をかきやすい時期や、入浴後の脱水が加わると、血圧80代への急落が引き金となって脳虚血症状が加速する。倦怠感を「歳のせい」「疲れのせい」と決めつけるのは極めて危うい行為だ。