日本のチャリティーマラソンにおけるギャラ問題が炎上する際、必ず引き合いに出されるのが欧米のチャリティー特番との文化的な違いです。
イギリスの公共放送BBCが放送する『Children in Need』や『Red Nose Day』では、世界的なロックスターやハリウッド俳優、トップアスリートが多数出演しますが、全員が完全ノーギャラ(無報酬)で参加することが大原則となっています。アメリカの『MDAテレソン』などでも、著名人はボランティアとして寄付の電話を受けたりパフォーマンスを披露したりするのが通例です。
欧米と日本の間には、以下のような構造的・文化的ギャップが存在します。
・公共放送と商業民放の差:イギリスのBBCは広告収入に依存しない公共放送であり、純粋なチャリティー枠として番組を編成できる。
・寄付文化と税制の浸透度:欧米では著名人が無償で社会貢献を行い、それを自らのブランディングや寄付金控除として活用する文化が成熟している。
・タレントの雇用形態:欧米のタレントは個人事業主として自らの意思で無償出演を決められるが、日本の芸能人は芸能プロダクションに所属しており、事務所の売上や社員の給与を支えるビジネス契約として出演が処理される。
商業テレビ局が巨額の広告費を集めて行う「大型エンタメ特番」という枠組みのままチャリティーを推進している点に、日本特有の構造的な矛盾が潜んでいます。