農業や酪農の現場でスプレッダーといえば、広大な圃場(ほじょう)に肥料や堆肥を散布するための大型農業機械を指します。作物の育成ムラを防ぎ、収量を安定させるためには、広い土地へ均一に肥料をまく技術が欠かせません。
中でも重要な役割を果たすのがマニュアスプレッダー(堆肥散布機)です。牛や豚の糞尿を発酵させた粘り気のある堆肥をホッパー(荷台)に積み、底面のコンベアで後方へ送り出しながら、高速回転するビータ(破砕刃)とスピナー(散布羽根)で細かく砕いてワイドに撒き散らします。
粒状の化成肥料や消石灰を散布する場合は、トラクターの後部に取り付ける小型の肥料散布機(ブロードキャスター/ライムスプレッダー)が主流です。導入コストは、小型のけん引式散布機であれば数十万円程度から手に入る一方、大型の自走式マニュアスプレッダーは数百万円から1,000万円を超えるケースも珍しくありません。
近年は中古機市場の流動性も高く、農協や農業法人の間では「散布幅の安定性」や「メンテナンスのしやすさ」に関するリアルな評判・レビューが機械選びの決め手となっています。GPSや車速連動システムを搭載し、土壌データに合わせて散布量を自動可変させるスマートスプレッダーの実用化も進んでいます。