婿養子縁組を行うには、民法が定める厳格な成立要件を満たした上で、役所へ所定の書類を提出する必要があります。
1. 養子縁組の法的成立条件
・養親が成人であること:民法上、養親となる人は成年に達している必要があります。
・年齢差の条件(尊属・年長者の縁組禁止):民法第793条により、養親より年上の者や、養親の尊属(叔父や叔母など)を養子にすることはできません。夫が義父や義母よりも1日でも年上である場合は婿養子になれないため、年の差婚などのケースでは注意が必要です。
・配偶者のある者の縁組:すでに結婚している夫婦の一方が養子縁組をする場合、原則として配偶者の同意が必要です。
2. 届出の手続きステップ
婿養子縁組を行う場合、市区町村役場への書類提出は以下の2段階または同時進行で行われます。
① 養子縁組届の提出:夫と養親(通常は妻の父親または母親)の間で養子縁組届を提出します。これにより夫は妻の親の戸籍に入籍し、養親の氏に改姓します。
② 婚姻届の提出:夫と妻の間で婚姻届を提出します。この際、婚姻後の夫婦の氏として「養親の氏」を選択し、夫婦の新しい戸籍が編成されます。
3. 結納金の相場と地域の慣習
一般的な結婚では男性側から女性側へ100万円前後の結納金を贈るケースが多いですが、婿養子の場合は立場が逆転します。妻の家から夫の実家に対して「大切な跡取り息子をいただく」という意味を込め、結納金(養子料・支度金)として200万〜300万円程度(通常の1.5〜2倍)が包まれる慣習が根強く残っています。