神戸におけるトルコライスの発祥には諸説ありますが、昭和の高度経済成長期、港湾労働者や商店街の職人たちに「手早く、安く、エネルギーの湧くごちそうを提供したい」という洋食シェフたちの想いから誕生したと伝えられています。
当時の料理人が、オムライスの満足感とビフカツ・とんかつの贅沢感を一つの皿にまとめ上げ、洋食店の命であるドミグラス(デミグラス)を惜しみなく注いだことが始まりとされています。名前の由来についても、東西の文化が交差するトルコになぞらえた説や、複数の料理が架け橋のように重なり合う姿から名付けられた説など諸説存在しますが、神戸の街では「がっつり食べられる本格洋食」の代名詞として定着しました。
開港以来150年以上の歴史を持つ神戸の洋食文化において、牛骨や香味野菜を何週間も煮込んで仕上げる伝統のソース作りは職人のプライドそのものです。その誇りが、大衆的なメニューであるトルコライスにも余すところなく注ぎ込まれています。