現代の流行語を単なるエンタメの消費物として終わらせるのではなく、社会学的・心理学的な視点から捉え直すと、私たちのコミュニケーション様式がどのように変化しているかが見えてきます。
「共通言語の喪失」とコミュニティの島宇宙化
かつてのテレビ全盛期のように「全国民が同じ流行語を使い、同じギャグで笑う」という時代は完全に過去のものとなりました。現在は、各自が所属する界隈(クラスタ)ごとに独自の共通言語を持ち、その枠内でのみ強い連帯感を共有する「島宇宙化」が進んでいます。
流行語大賞というプラットフォームの価値は、そうした分断されたコミュニティの壁を越え、「自分たちの知らない場所で、いま何が起きているのか」を俯瞰して知るための定点観測ツールとして再定義されています。
流行語トレンドを賢く活用する人・深追いしなくてよい人の判断基準
情報の洪水の中で、トレンドワードとどのように付き合うべきか。以下のような基準で自身のスタンスを定めるのが合理的です。
【積極的にキャッチアップすべき人】
マーケティング、広告、メディア、人事採用など、幅広いターゲット層の心理や世相を捉える必要がある職種の方。世代間ギャップを埋める雑談力や、企画の切り口としてトレンドを活用する人には極めて有益なデータとなります。
【無理に追う必要がない人】
自身の専門分野や特定の趣味領域に特化して活動している方。ネット上で話題の言葉を知らないからといって焦る必要は一切ありません。自身が属するコミュニティで円滑な意思疎通が取れていれば、全体トレンドを無理に日常会話へ取り入れる必然性はないといえます。