マルファン症候群は、細胞間を支える結合組織の主要成分である「フィブリリン1(Fibrillin-1)」を作るFBN1遺伝子の変異が主な原因となって発症する結合組織疾患です。結合組織は全身のあらゆる臓器に存在するため、影響は骨格、眼、心臓、大血管、肺、皮膚、硬膜など広範囲に及びます。発症頻度はおよそ3,000人〜5,000人に1人とされ、人種や性差による偏りはありません。
遺伝形式は「常染色体顕性(優性)遺伝」であり、親のどちらかがマルファン症候群である場合、子どもへ変異が受け継がれる確率は50%(2分の1)です。一方で、家族に患者がいない家系であっても、受精時の突然変異(de novo変異)によって発症するケースが全体の約25%を占めます。「親や親族に患者がいないから関係ない」とは言い切れない点に注意が必要です。