子宮脱は、ある日突然起こるのではなく、初期段階の「子宮下垂」から徐々に進行します。子宮や膀胱、直腸などの臓器は、骨盤の底にあるハンモック状の筋肉群「骨盤底筋群」や靭帯によって支えられていますが、出産による損傷、加齢による女性ホルモンの減少、長年の腹圧負荷などが重なることで支持力が低下し、臓器が下がってきます。
自覚症状の現れ方には特徴があり、まずは以下のセルフチェックリストで現在の状態を確認してみましょう。
【子宮脱・子宮下垂の初期セルフチェック】
- 夕方や長時間の立ち仕事の後に、下腹部が引っ張られるような重だるい感覚がある
- 入浴中や排便時に股間を洗う際、膣口にピンポン玉のような柔らかい膨らみを触れる
- くしゃみや重い荷物を持った瞬間に尿もれが起きる、または排尿後もスッキリしない
- 下着に擦れるような違和感や、異物が挟まっているような不快感がある
- 横になって休息をとると、下がっていた感覚や違和感が自然と軽快する
初期の段階で「年齢のせいだから」「まだ我慢できるから」と放置してしまうと、下垂した臓器が膣壁ごと体外へ押し出される「完全子宮脱」へと進行するリスクが高まります。体外に露出した子宮や膣粘膜は、下着で擦れて潰瘍(びらん)を形成し、出血や感染症、さらには尿道が屈曲することによる重度の排尿困難や水腎症を引き起こす危険性もあるため、初期の違和感に気づいた時点での適切なケアが極めて重要です。