SNSやライフハック動画でたびたび話題にのぼる「ブラジャー干し方は逆さまがベスト」という説ですが、結論から言えばこの方法は下着の構造力学に最も適した干し方です。国内最大手インナーウェアメーカーであるワコール公式の製品ケアガイドでも、カップ下のアンダーバスト部分をピンチで挟み、逆さまに吊るす干し方が推奨されています。
なぜ「逆さま」でなければならないのか。その決定的な理由は、水分が溜まる位置と生地の伸縮性にあります。洗濯後のブラジャーで最も保水力が高く重いパーツは、厚みのあるウレタンフォームや不織布が使われている「カップ部分」です。もし通常の向き(ストラップを上にする形)で吊るしてしまうと、水を含んでずっしり重くなったカップの重量がすべて細いストラップ(肩紐)にかかり、弾性繊維であるポリウレタン糸が修復不能なレベルまで伸び切ってしまいます。
一方、逆さまに干す場合は、伸縮性が比較的少ないアンダーテープ側を固定するため、ストラップやカップ本体に過度な引っ張り応力がかかりません。さらに、カップ内の水分が下方向へ自然に流れ落ちて蒸発しやすくなり、乾燥効率も向上します。まさにブラジャーの型崩れ防止を考え抜いた干し方といえます。