個人間取引の危険性が浮き彫りになる一方で、世界最大の精子バンクとして知られるデンマークのクリオス・インターナショナルなどを利用する動きも広がりを見せている。厳格な感染症検査や遺伝子スクリーニングをクリアしたドナーの精子を輸入する仕組みは、一定の安全性を担保する選択肢として注目を集める。
だが、制度面での課題は山積みだ。厚生労働省をはじめとする行政機関の法整備は立ち遅れており、第三者の精子を用いて生まれた子どもの「出身を知る権利」や、親子関係を確定させる法律上の規定はいまだ不透明な部分を残す。医療と法律の狭間で、当事者たちは常に不安と隣り合わせの決断を迫られている。