撤去の方針が公表されると、日本全国から様々な意見が寄せられました。中でも「人形をなくせば原爆の恐ろしさが伝わりにくくなる」「あの姿を見て核兵器の残虐さを学んだ」と主張する市民グループや被爆者の一部からは、撤去に反対する署名活動が展開され、短期間で数千筆以上の署名が集まりました。
一方で、「人形の怖さばかりが一人歩きし、被爆者一人ひとりの生きた証や苦しみに目が向いていなかった」「遺品を見るほうがはるかに心に深く刺さる」と、資料館の方針転換を支持する声も強く存在しました。
展示方法をめぐる議論は単なる展示物の存廃を超え、「体験者がいなくなる時代に、どのように戦争の記憶と実相を継承していくべきか」という重い問いを投げかける機会となりました。結果として資料館は実物展示への転換を断行し、本館リニューアルへと突き進むことになります。