2階フロアへ上がると、従来の衣料品売り場が大幅に圧縮され、広大なコミュニティスペースが広がっている。木材を多用した開放的なラウンジでは、ノートPCを開くテレワーカーの隣で、高齢者たちがウォーキングの合間に談笑している。
かつて地方スーパーの上層階といえば、閑散とした婦人服売り場とゲームコーナーが定番だった。しかしここでは、認可保育施設や小児科クリニック、行政窓口のサテライト機能が同じフロアに同居する。買い物のついでに予防接種を受け、住民票を取得し、子どもを遊ばせながらカフェで一息つく。
「用事があるから行く」のではなく、「そこに行けば誰かがいて、必要なことがすべて片付く」。多世代が自然に交差する空間設計は、車社会の中で希薄になりがちだった地域のつながりを、再びひとつの屋根の下に紡ぎ直している。