スーパーの調味料売り場に並ぶ「鶏ガラスープの素」「味覇(ウェイパー)」「中華だし」は、いずれも中華風のうま味を付与するベース調味料ですが、その原材料構成と仕上がりの風味には明確な違いが存在します。
最大の相違点は、ベースとなる動物性エキスの種類と油脂の含有量です。一般的な鶏ガラスープの素は、鶏の骨や肉から抽出したエキスを主原料に、食塩や野菜エキス、アミノ酸などを配合して顆粒状に乾燥させたものです。クセが少なく淡白で、鶏特有の上品なコクとすっきりとした後味が特徴であり、中華料理のみならず和食や洋食の隠し味としても自在に馴染みます。
これに対し、缶入りペースト調味料の代表格である味覇や創味シャンタンは、鶏骨エキスだけでなく豚骨エキス、オリーブ油などの植物油脂、牛脂・豚脂(ラード)、スパイス類が複雑に練り合わされています。油分が多く濃厚なコクとパンチ力を備えているため、本格的な中華料理のどっしりとしたコクを一口で生み出せる反面、あっさりしたスープや軽やかな和え物には重たくなりすぎる傾向があります。
また、粉末の「中華だし」は、鶏と豚のエキスに加えてオイスターエキスや魚介エキス、ごま油香料などを配合し、あらかじめ複雑な中華の風味に最適化されています。鶏ガラスープの素が「澄んだ万能の下味」であるのに対し、中華だしや味覇は「一発で中華の主役味を決める複合調味料」という明確な役割分担があります。