小林香菜の名が世に知れ渡った原点は、秋葉原のAKB48劇場にある。大島優子や宮澤佐江といった同期が選抜メンバーとしてメディアの第一線で脚光を浴びる中、彼女は泥臭く劇場に立ち続けた。通算の劇場出演回数は900回を超え、グループ歴代最多を誇る。華やかな表舞台の陰で、誰よりもステージを温め、観客と向き合い続けたという自負が、彼女のタフな根底を形成したことは間違いない。
アイドル時代のトーク力やサービス精神は当時から異彩を放っていた。決して優等生タイプではなかったものの、裏表のない天真爛漫なキャラクターは多くのファンやメンバーから愛された。この時期に培った「何があっても目の前の舞台に立ち続ける」という度胸こそが、後に彼女を襲う幾多の試練において、最大の武器となっていく。