PL学園の強さを支えていたとされる独自システム、それが「付き人制度」である。新入生である1年生は、3年生の部員に「付き人」として専属でつき、身の回りの雑用を全てこなさなければならなかった。洗濯、掃除、布団敷き、さらにはマッサージや夜食の準備に至るまで、下級生の生活は上級生への徹底的な奉仕の上に成り立っていた。
寮内は、絶対的な階級社会だった。1年生は「はい」と「いいえ」以外の言葉を発することを禁じられ、上級生と目を合わせることすら許されない。校内で先輩とすれ違う際のお辞儀の角度まで細かく定められ、異常な緊張感が常に漂っていた。そこにはスポーツマンシップの理念など存在しない。
指導者の目が届かない夜間の寮内は、文字通りの密室空間だった。「指導」という名目のもとで行われる日常的な暴言や体罰。それが「伝統」であり「強さの源泉」としてまかり通ってきた密室の狂気こそが、かつての名門を自滅へと導いた直接の要因である。