旅の手練れたちが目指す最大の目当てが、下り線エリアの屋外にひっそりと、しかし存在感たっぷりに設けられた湧水水汲み場だ。ここでコンコンと湧き出ているのは、日本百名山としても名高い谷川岳の積雪が地中深くへと染み込み、およそ3年の月日をかけて天然の岩盤でじっくりとろ過された極上の自然水、「谷川岳の三年水」である。
口に含むと、驚くほどまろやかでほのかな甘みが広がる。水温は年間を通じてほぼ一定に保たれており、夏場には体を芯から冷やし、冬場にはその柔らかな喉ごしが疲れた心身にじんわりと染み渡る。ポリタンクやマイボトルを持参して汲み上げるリピーターの姿も珍しくなく、ドライブの途中でこの名水を持ち帰ることができるのは、下り線を利用する者だけに許された格別の特権といえるだろう。