完全試合を達成した24名の投手たちを見渡すと、殿堂入りを果たした超一流から、その一夜だけ神がかり的な冴えを見せた伏兵まで様々だ。サイ・ヤングやランディ・ジョンソンのような圧倒的な絶対エースが名前を連ねる一方で、怪我や不振に苦しみながら奇跡を呼び寄せた投手も少なくない。
偉業達成の裏側には、常に目に見えないドラマと極限の心理戦が潜んでいる。7回を過ぎたあたりからベンチ内に広がる重苦しい静寂。「完全試合」という言葉を誰も口にしようとしないジンクス。味方の野手陣が魅せる命がけのファインプレー。投手が投じる一球一球には、個人の名誉だけでなく、チーム全体が紡ぎ出す執念が宿っている。