戦後復興から高度経済成長期へと駆け抜けた時代、田中角栄の傍らには常に特別な女性が存在した。神楽坂の人気芸者であった辻和子である。若き日の角栄が見初め、長年にわたり密密な関係を築いた彼女は、単なる愛人という枠組みを超え、角栄の精神的な支柱であり、同時に「裏の家庭」を築くパートナーであった。
辻和子との間に生まれた子供たちの存在や、彼女が暮らした神楽坂の邸宅を巡るエピソードは、当時の政界関係者の間でも語り草となっている。表舞台での豪腕ぶりとは対照的に、辻の前で見せた破天荒かつ繊細な素顔。そこに秘められた知られざる愛憎劇は、昭和の政治家が抱えていた人間的葛藤と業の深さを物語っている。