彼女が退路を断って制作したのが、「中西麻耶2012セミヌードカレンダー」だった。モノクロームの美しいグラビアには、鍛え抜かれたアスリートの肉体と、彼女の身体の一部である美しい義足が力強く収められていた。性的消費の対象としてではなく、ひとつの完成された美と力強さを主張する表現として企画されたこの作品は、発売と同時に社会へ強烈なインパクトを与えた。
カレンダーの売り上げは瞬く間に伸び、目標としていた遠征費用と渡米資金の確保に成功する。しかし、世間の反応は賞賛ばかりではなかった。「アスリートが裸になるべきではない」「パラスポーツのイメージを損ねる」といった根強い批判の声も噴出した。それでも彼女はブレなかった。自らの意志で選び取った身体の美しさを提示し、同時に「なぜここまでしなければパラアスリートは世界に行けないのか」という問いを突きつけたのだ。