『オデッセイ』のヒットは、その後の映画業界に極めて大きな影響を与えた。それまでのSF映画といえば、未知のエイリアンとの遭遇や、ディストピア的な未来像、あるいは絶望的な宇宙の孤独を描く作品が主流だった。しかし本作は、「ポジティブな科学」と「陽気なサバイバル」という新たな切り口を提示してみせた。
観客は恐怖におびえるのではなく、問題解決のプロセスそのものをエンターテインメントとして楽しんだ。この成功により、サバイバル映画の文脈は単なるパニック物から、知性とユーモアでピンチを脱する知的なジャンルへと拡張されたのだ。
興行的な大成功はもちろん、アカデミー賞でも作品賞や主演男優賞を含む7部門にノミネートされるなど、批評的にも高い評価を獲得した。エンターテインメント性と批評性を兼ね備えた金字塔として、今なお多くの映画制作者にインスピレーションを与え続けている。