世界の強豪と対峙する日本人アスリートの中でも、彼の存在感は異彩を放っている。公式データにおける身長は168cm。日本の成人男性の平均値と同等か、やや小柄な部類に入る数値だ。しかし、彼が主戦場とするメンズフィジークのステージにおいて、その数字は何の不利にもなっていない。
寺島遼は、国内のFWJ(Fitness World Japan)コンテストを総なめにし、日本人として数少ないIFBB PROカードを獲得した最高峰のアスリートである。体重はコンテスト時で約70kg前後。過酷な調整を経て絞り込まれた皮膚の下には、高密度な筋肉が隙間なく詰まっている。数字上の「168cm」という枠組みを、彼は独自のボディビルディング美学によって完全に凌駕してみせた。