全国最多の加盟校数を誇る神奈川県大会を勝ち抜くことは、全国大会で優勝すること以上に困難だとさえ言われる。東海大相模の破壊的な打線、慶応義塾の洗練された組織力。幾重にも立ちはだかるライバルたちとの激闘は、まさに命削るミリ単位の攻防の連続だった。
今夏の神奈川大会決勝、土壇場の9回裏で見せたサヨナラ劇は、今もファンの間で語り草となっている。1点ビハインドの場面から、ベンチの指示を待つことなく選手自らが配球を読み切り、ライト線へ弾き返した走者一掃のタイムリーヒット。そこには、極限状態でも冷静さを失わない圧倒的な試合勘が凝縮されていた。
修羅場をくぐり抜けてきた自負があるからこそ、本大会のどんな窮地に陥っても彼らの表情に焦りはない。激戦区・神奈川が育んだ強靭なメンタリティこそが、彼らの最大の武器なのだ。