日本の映画・テレビ史において、阪東妻三郎(本名:田村傳吉、1953年没)の血を引く「田村家」は比類なき存在感を放ってきました。一般に「田村三兄弟」と呼ばれるのは、長男の田村高廣(2006年没)、三男の田村正和(2026年没)、そして四男(末弟)の田村亮です(次男の田村俊磨氏は実業家)。
父・阪東妻三郎が51歳の若さで急逝した当時、末っ子の田村亮はまだ7歳でした。そのため、父の記憶は断片的であり、実質的な父親代わりとなって礼儀や役者としての姿勢を教えたのは18歳年上の長兄・高廣氏でした。
一方、3歳年上の三男・正和さんとは、同じ成城大学へ進むなど青春時代から身近な存在でした。正和さんが旅立った際、田村亮はマスコミ各社へ「兄は静かに旅立ちました。生前、お世話になった皆様に深く感謝いたします」という趣旨の心温まる追悼コメントを寄せています。生前、正和さんはプライベートを一切明かさない完璧主義を徹底していましたが、亮だけは兄の弱音や素顔を共有できる数少ない理解者でした。