当時、映画『世界の中心で、愛をさけぶ』や『涙そうそう』などで国民的な支持を集め、名実ともにトップ女優の座に君臨していた彼女が、なぜこれほどリスクの高いオファーを引き受けたのでしょうか。
最大の長澤まさみ ガンジス川 理由は、世間が抱く「清純派・優等生」という固定概念を壊し、一人の表現者として殻を破りたかったという強い情熱にありました。周囲から求められる優等生像と自分自身のリアルな感情とのギャップに悩んでいた時期でもあり、主人公・てるこの泥臭くも前向きに生きる姿に強く共鳴したのです。
泥水に飛び込み、インドの雑踏で汗まみれになりながら喜怒哀楽を爆発させたこの経験は、彼女の役者人生における大きな転換点となりました。後に彼女が挑むことになるコメディ作品やアグレッシブな役柄の原点は、間違いなくこのインドの地に刻まれています。