インターネット上で長年囁かれている「バナナと炭酸飲料の食べ合わせは危険」という説のルーツは、かつて海外のYouTubeなどで大流行した「スプライト・バナナ・チャレンジ(Sprite and Banana Challenge)」にあります。これは「バナナ2本を急いで食べた直後に、スプライト1リットルを一気に飲み干す」という過酷なゲームでした。
挑戦者の多くが激しく嘔吐したことから、「胃の中で化学反応が起きて有毒ガスが発生したのではないか」「胃壁が破壊されるのではないか」といった根拠のない恐怖が拡散されたのです。
消化器内科の観点から見ても、バナナの成分(食物繊維やデンプン、カリウム)と炭酸水に含まれる二酸化炭素やクエン酸が反応して危険な毒素を生み出すことはありません。嘔吐の原因は極めて単純で、「バナナの固形物で満たされた胃袋に、大量の炭酸飲料が一気に流れ込み、気化した炭酸ガスで胃の許容量を物理的に超えた」という生理現象に過ぎません。
常識的な量を普通に飲食する分には、バナナと炭酸飲料を同時に摂取しても健康上の被害は一切生じません。