本作の神話を語る上で、1995年夏のスタジアムツアー『B'z LIVE-GYM Pleasure '95 "BUZZ!!"』における演出を避けて通ることはできません。CDリリース前の未発表曲として演奏されたこのツアーで、稲葉浩志はドラキュラを彷彿とさせる黒いマントとシルクハットを身に纏い、怪人(ファントム)としてステージに降臨しました。
楽曲のクライマックス、ステージ上空数十メートルの高所に設置された特設デッキへ駆け上がった稲葉は、演奏終了と同時に夜空へと身を投げ出しました。スタジアムを埋め尽くした数万人の観客が悲鳴を上げ息を呑む中、空中での鮮やかなスタントダイブが決まった瞬間は、日本のロックライブ史における伝説の一幕となりました。
当時の特番インタビューやメイキング映像で明かされた通り、直前でスタントマンと入れ替わる高度なイリュージョン演出ではあったものの、「自らの存在を投げ打って闇の中へ消えていく怪人」という歌詞のコンセプトを完全に具現化したこのパフォーマンスは、楽曲のパブリックイメージを決定づけました。