物語の随所で登場する「イモリの黒焼き」は、リンのキャラクターを語る上で欠かせないアイテムだ。油屋の男衆を引きつけるための高級な「賄賂」として使われるこのアイテムは、リンがこの世界のルールを熟知し、世渡り上手であることを示している。
しかし、彼女はその貴重なイモリの黒焼きを、千尋のために惜しげもなく差し出す。言葉では「お前のためにやったんじゃない」とツンとした態度を取りながらも、行動で示す。この不器用な愛の形こそが、リンというキャラクターの真骨頂であり、千尋が精神的に自立していくための大きな支えとなったことは間違いない。