小泉家の政治史は、初代・小泉由兵衛の代に遡る。幕末から明治にかけて、横須賀軍港の建設工事や海軍への資材納入、鳶職を取り仕切っていた由兵衛は、港町の強力な仕切役だった。その息子として生まれたのが、小泉政治王朝の祖・又次郎である。
若い頃は任侠の世界に身を投じ、背中に見事な龍の彫り物を背負っていたことから、後に「刺青大臣」の異名をとることになる又次郎。彼は刺青を隠そうともせず、全身で大衆の心を掴んだ。立憲民政党の幹事長を務め、逓信大臣にまで上り詰めた彼の政治手法は、理屈ではなく「情熱と度胸」。普通選挙運動の急先鋒として街頭演説で聴衆を魅了したスタイルは、間違いなく孫の純一郎、ひ孫の進次郎へと受け継がれる小泉節の原型だ。