本作で圧倒的な存在感を放っているのが、主演を務める有村架純だ。登場人物が抱える複雑な葛藤や繊細な感情の揺れを、言葉を使わない視線や僅かな身体の動きだけで表現してみせる技術は、まさに面目躍如と言える。撮影現場の関係者によると、彼女はクランクイン前から役作りのために手帳へ膨大なメモを書き込み、役の生きてきた背景を徹底的に身体へ染み込ませていたという。
さらに物語の感情線と見事にシンクロしているのが、シンガーソングライター高橋優の代表曲としても知られる「明日はきっといい日になる」の存在だ。印象的なフレーズと切なくも前向きなメロディが、劇中のクライマックスで絶妙なタイミングで響き渡る。過酷な現実と向き合う主人公たちの泥臭い生き様を、この音楽が力強く包み込み、観客の涙腺を激しく揺さぶるのだ。