試写をいち早く目撃した数少ない関係者の間で、早くも「ラスト15分の展開で頭が真っ白になった」と語られている『夢を見せて』。物語の中盤、菅田演じる青年が発する何気ない一言や、背景に密かに配置された小道具の数々が、すべて終盤の衝撃的な大どんでん返しへの伏線となっていた。
考察の鍵となるのは、「誰が誰の夢を見ているのか」という根本的な問いだ。結末において提示される真実は、救いでありながらも甘美な絶望を孕んでいる。老心理学者が追う悲劇の真相が明かされた時、観客は冒頭からのすべての景色が逆転する快感と恐怖を味わうことになるだろう。一度観ただけでは到底すべてを理解できない重厚なシナリオ構成は、リピート鑑賞を確実なものにする。