川島なお美さんの命を奪った直接の病名は「肝内胆管がん」である。肝臓の中を走る小さな胆管の細胞から発生する難治性のがんであり、初期症状がほとんどないため早期発見が極めて難しく、発見されたときには進行しているケースが多い。
世間では「ワイン=酒=肝臓を壊した」という単純な連想がなされやすい。だが、消化器外科や腫瘍内科の専門医たちは「ワインなどのアルコール摂取が、肝内胆管がんの直接的な発症原因になるという医学的根拠はない」と明確に否定している。このがんの危険因子として知られているのは、先天的な胆管の異常、胆石症、C型やB型などの肝炎ウイルス感染、あるいは特定の化学物質への曝露などだ。飲酒そのものがリスクを高めるとされる一般的な肝臓がん(肝細胞がん)とは、病理学的に明確に異なる。