長引くインフレの影響により、日用品全体の価格が上昇する日本。1枚あたりの単価に敏感にならざるを得ない現代の家庭にとって、紙おむつの価格上昇は死活問題だ。しかし、市場のデータは意外な事実を示している。単に価格が安い製品に流れるのではなく、むしろ「かぶれにくく、漏れにくい高品質なプレミアムおむつ」の需要が伸びているのだ。
医療費や皮膚科への通院にかかる時間コスト、そして何より赤ちゃんの不機嫌による夜間睡眠の質の低下を考慮したとき、親たちが下した結論は「最初から肌トラブルの起きにくい良質なものを選ぶ」ことだった。花王はこの消費者心理を先回りし、低価格競争ではなく、圧倒的な機能美による付加価値の提供に舵を切った。