平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて、歌人・藤原定家が編纂した『小倉百人一首』。その山荘「時雨亭」があったとされる場所の一つが、この寺の敷地内だ。王朝文学の息吹が今なお残る境内は、歴史ファンのみならず、日本の精神文化を深く味わいたい海外の旅行者にとっても特別な場所として機能している。
定家が見上げたであろう山の稜線、そして眼下に広がる京都の街並み。季節ごとに表情を変える樹々が紡ぎ出す風景は、かつて詠まれた数々の名歌の情景そのものを投影している。歴史の重みと自然の美しさが混ざり合い、独自の空気を醸し出しているのだ。