2026年現在、インドとパキスタンの二国間関係は冷え切った状態が続いています。公式な高官協議や定期便の往来、直接貿易は極めて制限されており、関係改善の突破口は見出せていません。
現在の対立をさらに複雑にしているのが、中印対立と米印接近に伴う地政学的なブロック化です。パキスタンは中国が主導する巨大経済圏構想「一帯一路」の重要回廊である「中パ経済回廊(CPEC)」をテコに中国との軍事・経済的関係を急速に深化させています。これに対し、インドはアメリカ、日本、オーストラリアとの枠組み(クアッド)などを通じて安全保障を強化しており、印パの対立は米中対立の構図とも連動しています。
また、急速な経済成長を遂げてグローバル・サウスの旗手としての地位を確立するインドと、深刻な経済危機や政情不安に直面するパキスタンとの間で、国力の非対称性が年々拡大している点も新たな不安定要因となっています。