日本での評価を確固たるものにしていた彼が、世界基準の俳優としてその名を一躍轟かせた大きな転機が、巨匠クリント・イーストウッド監督に見出されたことだった。第二次世界大戦の激戦を描いた映画『硫黄島からの手紙』で、彼は過酷な戦場に身を投じる元憲兵の清水洋洋長役を熱演した。
感情を過度に露わにせずとも、瞳の微かな揺らぎや肩のこわばりだけで極限状態の人間心理を繊細に掬い取ってみせた彼の演技は、海外の映画批評家からも絶賛を浴びた。単なる「異国から招かれたゲスト俳優」としてではなく、作品の精神的な核を担うキャストとして溶け込んだ功績は極めて大きく、ハリウッドをはじめとする海外の映画業界にその存在感を深く刻みつけることとなった。