スキップの藤澤五月が勝負どころで見せる驚異的なショットの精度。その背景には、ベンチから常に客観的なデータを送り続けた石崎の存在があった。「五月ちゃんが迷いなく投げられる環境を整えること」。それこそが彼女の使命だった。感覚派と理論派が高い次元で融合したとき、チームは世界屈指の爆発力を生み出したのだ。
また、チームの創設者である本橋麻里との絆も特別だ。選手として、そして組織のリーダーとしてチームを牽引してきた本橋と石崎の間には、言葉を交わさずとも通じ合える阿吽の呼吸が存在していた。北海道の小さな町から世界一を目指したロコ・ソラーレにおいて、二人のベテランが築いた文化は、単なる勝敗を超えた強烈なアイデンティティとして今も息づいている。