スターとしての輝かしい光の裏で、彼女の私生活は常に波乱に満ちていました。音楽パートナーであった宇多田照實氏との結婚と離婚を繰り返し、二人の間に生まれたのが後の平成の歌姫・宇多田ヒカルさんです。藤圭子さんは娘の才能を誰よりも愛し、誇りに思っていましたが、自らの病状が悪化するにつれて家族との距離感にも深い苦悩が生じていきました。
母の死後、宇多田ヒカルさんは「母の死はあまりに哀しい出来事ですが、長年病気に苦しんでいた母がようやく苦しみから解放されたのだと思う気持ちもあります」という趣旨のコメントを寄せました。精神的な混乱から家族に背を向け、旅を繰り返すことも多かった藤圭子さん。愛しているからこそ互いに傷つき合ってしまう家族の複雑な葛藤が、彼女の孤独を深めてしまった一因でもありました。