何より観客を釘付けにするのは、実力派キャスト陣による凄絶な演技の掛け合いだ。主演を務める佐藤健が見せる静かなる情熱と、哀愁を帯びた眼差し。対する満島ひかりの圧倒的な透明感と、感情の機微を絞り出すような演技。二人が画面越しに交わす視線一つで、空気の密度が一変する。
表向きは壮大な未来世界を描くSFラブロマンスでありながら、根底に流れているのは泥臭いまでに人間的なヒューマンドラマだ。記憶と感情が複雑に交錯する極限状態の中で、二人は何を求め、何を差し出すのか。息をのむような緊迫感と愛おしさが同居する表現力は、観る者の胸を激しく締め付ける。