仕込みの作業は朝早くから夕方の開店直前までノンストップで行われる。魚の鱗を1枚ずつ丁寧に引き、塩を当てる時間、酢で締めるタイミングを秒単位で計算する。一見華やかに見えるカウンター越しのパフォーマンスの裏には、気の遠くなるような地道な手作業が隠されている。
第一線で腕を振るう寿司職人は、包丁の研ぎ具合やまな板の湿度にまで神経を研ぎ澄ます。「鮨はシンプルな料理だからこそ、誤魔化しが効かない」という言葉通り、指先のミリ単位の感覚が味を大きく左右する。一握りの妥協も許さないこの職人魂が、カウンターを挟む客に深い感銘を与えるのだ。