別居によって物理的な安全と生活費を確保できたら、いよいよ正式な離婚に向けた法的手続きに入ります。モラハラ夫との離婚手順は、通常の夫婦と比べて「直接対決を避けること」が最重要原則となります。
1. 協議離婚(話し合い):
原則として、モラハラ夫との直接の話し合いは避けるべきです。激高して威圧されるか、逆に「もう二度としない」と泣きついて引き留める(ラブ・ボミング)かの二者択一となり、建設的な議論が成立しません。弁護士を代理人に立てて交渉窓口を一本化するのが最も安全です。
2. 離婚調停(家庭裁判所):
協議で合意できない場合、家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。調停では男女各1名の調停委員が間配り役を務め、夫と妻が顔を合わせることなく別室で交互に主張を伝えます。モラハラ夫は調停の場でも「妻がいかに至らないか」を滔々と語り、調停委員を味方につけようと画策することがありますが、集めた客観的証拠を提示すれば調停委員も事態の深刻さを正確に把握します。
3. 離婚訴訟(裁判):
調停が決裂した場合は裁判へと移行します。モラハラは民法770条1項5号の「婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当し得ます。証拠の強さが判決を決定づけます。
気になるモラハラ離婚の慰謝料相場は、一般的に50万円〜300万円程度が目安となります。精神的苦痛の度合い、婚姻期間の長さ、子どもの有無、うつ病発症などの実害の大きさによって金額は上下します。不貞行為(不倫)のような明確な肉体関係の証拠がない分、長期にわたる暴言・無視の証拠の質と量が慰謝料額の算定に直結します。