『ドラえもん』の真骨頂は、一度きりの登場でありながら読者の心に深く刺さるドラえもん 脇役 メガネ キャラたちの存在感にあります。物語の奥行きを広げた伝説的なゲストキャラクターを紹介します。
多目くん(ためくん)は、てんとう虫コミックス第23巻『ぼくよりダメなやつがきた』に登場するメガネの転校生です。勉強ものび太よりできず、かけっこものび太より遅いという設定で、のび太は当初、彼に対して優越感を抱き、自分の身代わりとしてジャイアンたちのターゲットにしようとします。しかし、自分の浅ましさに気づいたのび太は、ドラえもんの道具を使ってジャイアンの理不尽な暴力から多目くんを体を張って庇います。直後に再び転校することになった多目くんが残した「のび太くん、親切にしてくれてありがとう」という感謝の手紙は、シリーズ屈指の感動シーンとして語り継がれています。
もう一人の強烈なキャラクターが、第25巻『な、なんと!! 満点をとった!!』に登場するガリベンくんです。牛乳瓶の底のような分厚い丸メガネをかけた秀才で、学年トップの出木杉英才を激しくライバル視していました。プレッシャーからノイローゼに陥り、夜中に出木杉の家へ嫌がらせ電話をかけ続けるという暴走を起こしますが、真相を知った出木杉とのび太の寛大な心に触れて改心。自らの過ちを涙ながらに謝罪し、正々堂々と勉学に励むことを誓います。
その他にも、ジャイ子の漫画家としての才能を最初に見出し、良き創作仲間となった隣町の文学少年・茂手もて夫(もてもてお)や、未来のひみつ道具職人たちなど、メガネをかけたキャラクターたちは「知性」「個性」「挫折と成長」を描くための重要な媒介として描かれています。