外食史に燦然と輝く革新者、坂本孝の「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」の衝撃を思い出したい。高級食材を惜しみなく使い、原価率を極限まで引き上げながらも、圧倒的な回転率で爆発的な利益を叩き出したあのモデルは、店舗経営学における革命だった。坂本が証明したのは、「常識を疑い、数字の構造を変えれば、どんな市場でも勝てる」という真理だ。
一方で、世界的なスターシェフであり冷徹な経営者でもあるゴードン・ラムゼイの再生の手法も実に示唆に富む。彼がテレビ番組や事業で実践するのは、複雑すぎるメニューの即座の廃止、原価管理の徹底、そしてスタッフの役割明確化だ。パッション(情熱)とロジック(論理)の両輪を回すことこそが、困難な局面を打開する唯一の道であることを、彼らの軌跡は示している。