思春期に経験した過酷な貧困と一家離散は、小泉今日子の中に「誰にも頼らず、自分の力で生きていく」という強固な自立心を芽生えさせました。これが、芸能界へ飛び込む直接的な原動力となります。
1981年、中学3年生の時に日本テレビの人気オーディション番組『スター誕生!』に応募します。当時の心境について彼女は、「華やかな世界への憧れ」という純粋な夢以上に、「一刻も早く働いてお金を稼ぎ、自分の力で生活を立て直したい」という切実な思いがあったことを明かしています。
神奈川県厚木市から東京の日本武道館で行われた第35回決戦大会に出場した小泉今日子は、石野真子の「彼が初恋」を歌唱。圧倒的なスター性と度胸が審査員の目に留まり、見事合格を果たします。大手芸能事務所からのスカウトを受け、翌1982年にシングル「私の16才」で歌手デビュー。貧困と家庭崩壊のドン底から、自らの手で運命を切り拓いた瞬間でした。