地域発信のコンテンツ制作において、NHK福岡放送局が果たした役割は極めて大きい。東京主導のドラマ制作とは一線を画し、地域に根を張るスタッフたちが長年培ってきた取材力と土地への敬意が、画面の隅々まで行き渡っている。日本放送協会が積み上げてきた地域発信型コンテンツの歴史の中でも、本作は際立った特異点となった。
これまでのご当地ドラマにありがちだった観光PR的な甘さを徹底的に排除した姿勢こそが、全国的な高評価を呼び込んだ最大の要因だ。地方のリアルな生活感、陰影、そこに生きる人々の息遣いを妥協なく描き切ることで、ローカルは一気に普遍へと昇華した。