かつて東北楽天ゴールデンイーグルスに復帰した際、田中が手にしたのは2年総額18億円という破格の条件だった。日本中が沸き立ち、彼の右腕に球団の未来が託された。だが、全盛期のストレートのキレやスプリットの精度を取り戻すのは容易ではなかった。勝ち星は伸び悩み、黒星が先行するシーズンが続いたことで、年俸は急速に縮小していった。
野球協約が定める減額制限(1億円超は40%)を遥かに超えるダウン提示。それを何度も受け入れながらも現役にこだわり続ける姿は、かつての絶対的エースのプライドをかなぐり捨てた、一人の泥臭い野球人の姿そのものだった。