自炊(内食)と総菜・デリバリー(中食)の境界線も急速に曖昧になっている。この潮流をリードしているのが、味の素株式会社をはじめとする大手食品メーカーによる高機能調味料の開発だ。
単なる合わせ調味料の枠を超え、肉の保水性を高めて柔らかく仕上げる酵素技術や、電子レンジ調理特有の加熱ムラを防ぎつつ香ばしさを生み出す専用パウチなど、プロの火入れ技術を家庭で再現する製品が次々と投入されている。スーパーの味付き肉や冷凍カット野菜とこれらの調味料を組み合わせれば、下処理の手間を完全にスキップしながら専門店の味が食卓に並ぶ。
完全に手作りする手間と、すべて調理済みを買ってくるコスト。その中間にある「半自炊」という選択肢が、内食・中食業界の垣根を取り払い、忙しい生活者のリアルな防波堤として機能している。