商業ビルが立ち並ぶ天神のメインストリートから一本路地へ入り、警固や大名方面へ足を伸ばすと、インディペンデントな個人店が放つ独特の熱気に突き当たる。ここでは、個性的なブックセレクトと妥協のないスペシャルティコーヒーが見事な調和を奏でている。
浅煎りのエチオピアが持つ華やかな酸味に、気鋭の作家が綴った短編集を合わせる。深煎りのマンデリンの苦味を受け止めながら、大判の写真集をめくる。店主自らがセレクトしたZINEや古書が並ぶカウンターで、バリスタが一杯ずつ丁寧にハンドドリップする所作を眺める時間は格別だ。大規模チェーンにはない、個人的な偏愛が詰まった空間こそが、感度の高い人々を路地裏へと引き寄せる。