本作の配給を手掛けた東宝と、制作を担ったスタジオジブリのタッグは、セル画アニメーションの極致を提示した。手描きならではの膨大な作画枚数と、黎明期だったCG技術の融合。何百人もの職人たちが画面の隅々にまで情熱を注ぎ込み、神々の蠢く森の空気感や、溢れ出る血液の重みまでをもリアルに表現した。
特に作画監督の故・高坂希太郎をはじめとするトップクリエイターたちが追及した人物の表情は、一瞬の視線の揺らぎにすら感情の機微を宿している。「生きろ」と告げられたサンの瞬きの速さ、動揺で引きつる唇の演技。CG全盛の現在においても色褪せない圧倒的な描き込みは、手描きアニメーション制作が到達したひとつの頂点と言える。