Q1:ドラマで有名な「お、おにぎりが食べたいんだな」というセリフは本人が言ったのですか?
A1:山下清本人がそのような独特の決めゼリフを使った記録はありません。ドラマ版で山下清を演じた芦屋雁之助と制作陣が、主人公の純朴さと空腹の切実さを強調するために考案した劇中オリジナルの創作セリフです。実際の清は吃音がありましたが、思考や語彙ははるかに現実的かつ理論的でした。
Q2:山下清が本当に一番好きだった食べ物は何ですか?
A2:自著の手記や関係者の証言によると、「うなぎ(うな重)」が最大の好物でした。また、カレーライス、豚汁、そしてスイカや落花生、ぼた餅などの甘味をこよなく愛していました。一方でおにぎりは、放浪生活で民家の余り物を分けてもらう際に最も手に入りやすい主食に過ぎませんでした。
Q3:なぜ放浪中には一切貼り絵を描かなかったのですか?
A3:旅中は画材を持ち歩いておらず、生活と移動だけで体力を消耗していたためです。山下清は「直観像記憶」と呼ばれる映像記憶能力に秀でており、旅先で目にした風景を細部まで完璧に記憶していました。旅を終えて八幡学園や自宅に戻ってから、鮮明に残る記憶だけを頼りに精緻な貼り絵を制作していました。
Q4:ドラマのように裸(白のランニング姿)で日本中を旅していたのですか?
A4:常に裸同然で旅をしていたわけではありません。夏場には白のランニングシャツ姿で過ごすことがあり、その印象的なスナップ写真が後世に定着しましたが、春秋冬の寒冷期には古着のかすりや洋服を重ね着して防寒していました。小柄で痩せ型だった清にとって、冬場の薄着放浪は生存に関わるため現実的ではありませんでした。